脳卒中

脳卒中の治療と基礎知識

脳卒中は、脳の血管がつまったり、破れたりして、その先の細胞に栄養が届かなくなり、細胞が死んでしまう病気です。急に倒れて意識がなくなったり、半身のマヒが起きたり、ろれつが回らなくなったりする発作が起きます。現代脳卒中を発症する割合は年々増加傾向にあると言われています。 脳卒中の治療については、脳卒中の種類によって治療法も異なってきます。 脳卒中の原因は、様々ですが、血圧の高い状態が一番リスクが大きいといわれています。
脳卒中は急に起こるの?

一時的な半身のマヒや手足のしびれ、ものが二重に見える、ちょっとの間、言葉が出てこなくなったりといった前触れが先に起きていることもあります。これは脳の血管が一時的に詰まるために起こるもので、これに気づくと大きな発作の前に治療をすることもできます。しかし、本人が気づかない時もあります。 ですので、ほんのわずかでも前触れがあるように感じたら直ぐに診察を受けることが重要です。そのままにしておくと、本格的な発作を起こしたりします。
詳しくは直接お越しいただき、お気軽にご相談ください。
脳梗塞
脳梗塞とは?

脳梗塞(のうこうそく、別名:脳軟化症(のうなんかしょう)とは、脳の血のめぐりが正常の5分の1から10分の1くらいに低下し、脳を栄養する動脈の閉塞、または狭窄のため、脳虚血を来たし、脳組織が酸素、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になる事を言います。また、それによる諸症状も脳梗塞と呼ばれる事があります。なかでも、症状が激烈で(片麻痺、意識障害、失語など)突然に発症したものは、他の原因によるものも含め、一般に脳卒中と呼ばれています。それに対して、緩徐に進行して認知症(脳血管性認知症)などの形をとるものもあります。 脳梗塞は日本人の死亡原因の中でも上位を占める病気で、後遺症(片麻痺、意識障害、失語、言語障害)を残して介護が必要となることが多く福祉の面でも大きな課題を伴う疾患です。
高血圧は脳梗塞の危険因子

脳梗塞を起こす危険因子を持った方に起こりやすいのですが、その危険因子にはいくつかの種類があります。高血圧、糖尿病、心臓病や不整脈、高脂血症、喫煙などさまざまあるのですが、現在でも高血圧が原因で起こるタイプの脳梗塞が一番多いという事実があります。 脳梗塞の危険因子のうち重要なものには、高血圧、高脂血症(血液中のコレステロールが高い)、糖尿病、多血症(しばしば喫煙者にみられる)、心臓病(心房細動などの不整脈)などをあげることが出来ます。そんなことから脳梗塞も、いわゆる生活習慣病のひとつと言われています。一般に脳梗塞などの脳卒中は、何の症状の前触れもなく、突然に起こる特徴があります。そこで、普段から、これら脳梗塞の危険因子に気を配るようにしていただき、そう言った危険因子の見つかった方は、食事療法、運動療法、薬物療法などで、正常の状態に戻しておかなければなりません。
血圧が高くても、普通、痛くもかゆくもない。それで、生活習慣を改善したり、治療を受けようという気になりにくいことに注意

そこで、血圧の高い方では
1.塩分控えめの食事をとる
2.腹八分目を心がける。有酸素運動をする。
3.ストレスを貯めないようにする
4.飲酒喫煙の量を減らす

以上のような食生活、生活習慣の改善を行い、それでも血圧が下がらない場合には、医師の指導のもとに血圧を下げる薬(降圧剤)を飲んだ方がよいでしょう。
最近、心臓の不整脈から起こる脳梗塞にかかる方が増えています。

このところ年配の方を中心に、知らないうちに心房細動と言う不整脈にかかる方が増えていますが、この心房細動にかかりますと心臓の中に血液の塊が出来やすくなります。そして、この心臓の中に出来た血液の塊が、時々、チギレて、脳の動脈の方に流れていって、そのせいで、脳の血管がつまってしまうことがあります。このような心臓が原因で起こる脳梗塞のことを脳塞栓(のうそくせん)と言います。この心房細動がありますと、毎年その5%の方に脳梗塞が起こると言われます。そこで、動悸がしたりした時には、心房細動などの心配な不整脈でないかどうか調べてもらった方がよいでしょう。
脳梗塞の前ぶれ

一過性脳虚血発作は脳梗塞の前ぶれすぐに良くなったからと言って安心していると、大変なことになる
一過性脳虚血発作(英語でTIAと言います)と言って脳梗塞の本物の発作(大きな発作)を起こす前に、短時間の手足のしびれや、脱力(力が抜けること)の発作を何度か繰り返すことがあります。これは脳梗塞の前ぶれであると言われています。この一過性脳虚血発作は「後に大きな発作が起こりますよ」と教えてくれているのです。すぐに良くなるからと安心し放置していますと、早晩、大変なことになってしまうかもしれません。この一過性脳虚血発作は、普通、数分から10数分、大部分は1時間以内、最大24時間以内に回復する発作で、一過性脳虚血発作を起こした方のうち30~40%の方は後に脳梗塞に移行することが分かっています。そして発症直後ほど脳梗塞に移行しやすく、20%は1ヶ月以内に、約50%は1年以内に脳梗塞を発症すると言われます。
結局、一過性脳虚血発作は一度でも起こしたら、すぐに精密検査を受けて脳梗塞の予防の処置を行っておく必要があります。しかし、一過性脳虚血発作が起こっても、これが脳梗塞の前ぶれであると気付くかどうかが一番の問題です。
一過性脳虚血発作の症状として多いものは、半身の手足の麻痺やしびれ、あるいは片方の目が急に見えなくなる一過性黒内障、そして、めまいなどです。
手や腕の症状としては

食事中に急にハシを落とした
ハシがうまく使えなくなった
字がうまく書けなくなった
茶碗を落としたりする

1.手や腕の症状としては

急に足が動かなくなり、立ち上がれなくなった。歩けなくなった。
歩行に際しつまづく
足先がひっかかって階段が上がれない
片方のスリッパが脱げ易い
段差に片足が引っ掛かる
まっすぐ歩いているつもりなのに、片側へ寄って行く
足がもつれる
体がふらつく

2.足の症状としては

急に足が動かなくなり、立ち上がれなくなった。歩けなくなった。
歩行に際しつまづく
足先がひっかかって階段が上がれない
片方のスリッパが脱げ易い
段差に片足が引っ掛かる
まっすぐ歩いているつもりなのに、片側へ寄って行く
足がもつれる
体がふらつく

3.顔面や言葉の症状

口から食べ物をボロボロとこぼす。
顔の半分がゆがんだ(顔面神経麻痺)。
ろれつ困難となり、うまくしゃべれない。
頭の中で分かっているのに、口に出して言えない。

4.目の症状

片目だけ幕がおりるように急に見えなくなった(これを一過性黒内障と言います)
視野の半分が急に見えなくなった

知らないうちにかかっている脳梗塞

知らないうちに脳梗塞にかかってしまっていることがある

頭痛などの精密検査を受けた際に、知らないうちに脳梗塞にかかっていたことが、たまたま分かることがあります。脳梗塞にかかっても、症状がほとんど出ない場合があって、症状がなければ、かかったことに気付かないのです。こう言ったものを無症候性脳梗塞隠れ脳梗塞、微小脳梗塞などと言います。しかし無症候性、すなわち症状が出なかったからと言って、これも脳梗塞には違いがありません。最近、脳ドックを受診する方が増え、このような無症候性脳梗塞が見つかる頻度が増えてきました。この隠れ脳梗塞がみつかってから数年以内に3割の人が再び脳梗塞の発作を起こすと言うデータもあります。無症候性脳梗塞からの脳卒中の発病について、脳ドックを受けた日本人933例(平均年齢57歳)の研究では、無症候性脳梗塞は10.6%に認められ、その後1-7年の経過中に新たな脳卒中を発症した頻度は、無症候性脳梗塞を持った人では10.1%、無症候性脳梗塞を持たない人では0.77%と有意な差を認めたと報告されています。つまり、無症候性脳梗塞を持った人は、そうでない人と比べて10倍以上も脳卒中を起こしやすいということになります。
結局、脳梗塞に一度かかったら、必ずと言って良いほど再発するのです。しかし、次に起こった時も最初の時と同じように無症状ですむとは限りません。起こった場所によっては、手足が麻痺したりすることもないとは言えません。そこで、一度でも脳梗塞を起こした方は、普段から脳梗塞を予防するお薬を根気よく飲んで再発を防いで行く必要があります。
脳梗塞再発予防の薬

一度、起こった脳梗塞は再発することが多い

脳梗塞にかかられた方では、再発を予防するためのお薬を飲んでいただく必要があります。それには、普通、抗血小板剤というというお薬が使われますが、一番よく使われるのがアスピリン(商品名、バイアスピリン、小児用バファリンなど)です。このアスピリンは普通、頭痛薬などの痛み止めとして使用されることが多いのですが、これを少量用いますと、血液中の血小板に働いて、血管の中で血栓が出来るのを防いでくれる作用があります。そこで脳梗塞の再発予防効果があるという訳です。それ以外に、パナルジン、プレタールというお薬もよく使われます。ところで、症状が変わらないからと勝手にお薬をやめてしまう方がありますが、やめてはいけません。再発予防の薬はずっと続けて頂く必要があります。なお、これらのお薬を飲んでいる方は、出血が多少、止まりにくくなりますので、「歯を抜いたり」、「手術を受けたり」される際には、あらかじめ医師に相談して下さい。
一方、心臓が原因で起こる脳塞栓の場合、心臓の中に出来る血液の塊は、血管の中に出来る血栓とは性質が異なっているため、その再発予防にはワーファリンという薬を使用します。この薬を飲んでいる方は、時々、血液検査で、プロトロンビン時間(INR)を測定して、お薬の効き具合をチエックしておく必要があります。「歯を抜いたり」、「手術を受けたり」される際に、あらかじめ医師に相談して頂くのはもちろんですが、ワーファリンを飲んでいる方は、薬の効果に影響を与えますので、納豆を食べてはいけないことを覚えておいて下さい。
11.脳卒中予防十か条 (日本脳卒中協会作成)

1.手始めに高血圧から治しましょう
2.糖尿病放っておいたら悔い残る
3.不整脈見つかり次第すぐ受診
4.予防にはタバコを止める意思を持て
5.アルコール控えめは薬過ぎれば毒
6.高すぎるコレステロールも 見逃すな
7.お食事の塩分、脂肪も控えめに
8.体力に合った運動続けよう
9.万病の引き金になる太りすぎ
10.脳卒中起きたらすぐに病院へ

一番は医師に相談すること

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九鬼脳神経クリニック
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三重県尾鷲市九鬼町1080-1
0597-29-2037

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たなか きみと
院長
田中 公人

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